2021年ダボス会議のテーマ「グレートリセット」は陰謀論?日本やAIとの関係

2021年夏に行われるダボス会議のテーマがグレート・リセットに決定されました。
ウィズコロナ・アフターコロナの社会をよりよいものにするために、グレートリセットが重要視さているようです。

一方で、このグレートリセットがが陰謀論ではないかと噂さています。
グレートリセットとは一体なにか?なぜ陰謀論がでるのか?日本やAI技術との関係性、などいま話題のグレートリセットについて詳しく解説します。

グレートリセットとは?陰謀論との関係

グレートリセット
グレートリセットとは?簡単にこの言葉の意味を説明すると、いわゆるアフターコロナの世界は、経済活動や人々の生活様式が大きく変わる、今までの資本主義からやや社会主義的な世界にリセットされるという意味になるようです。

もしこのグレートリセットに前述した様々な陰謀論を繋ぎ合わせると、今までの資本主義体制から一部のトップが支配する社会主義的な体制に世界をリセットするために、その支配層がコロナウイルスを拡散させる事で人々の生活や行動を制限しつつ、アメリカや中国などの大国はグローバル化の名のもとにその支配を進めようとしている。

その流れに対抗し、資本主義経済を維持しようとしていたのがトランプ前アメリカ大統領であったが、不正選挙によって大統領が変わり、融和路線と見せかけた世界の社会主義化が進行しているといった話に繋がるのでしょう。

ここではこういった陰謀論の真偽を問うことはありませんが、少なくともこの「グレートリセット」という概念は陰謀論ではなく、世界中から政治や経済、ジャーナリストなど有識者が集まり世界の課題について話し合いが行われ、その場での意思決定が世界に強い影響を与えるとされる世界経済フォーラム(ダボス会議)で2021年のテーマとして扱われた内容である事は事実です。

陰謀論が流行する要因

陰謀論という言葉をネットや一部のテレビ報道などでも見かける機会が多くなりました。なぜ陰謀論がここまで流行することになったのでしょうか?

世界規模で今も脅威となっているコロナの感染拡大は人間が仕組んだものであるとか、そのコロナワクチンによって世界的に人口を減らす計画が立てられているなど言われています。少し違った分野では先のアメリカ大統領選挙の投票結果にまつわる様々な噂などその種類は枚挙にいとまがないほど。

なぜそのような言説が流行するのかというと、最も大きい要因はネット以前のメディア(新聞やテレビ)に対する信頼度の低下にあります。

前述したコロナや大統領選挙について偏向報道があまりに多く繰り返されることで、真実が何であるのかを知ろうとした時、こういった陰謀論と言われる考え方を主軸に置くことであらゆる疑問点(メディアが報道しない不審点)に納得のいく理由付けがされ、さらにメディアが一部の事実を隠して報道することがその陰謀論の何よりもの裏付けになってしまうという構図です。

この事はただ単に陰謀論を唱える人たちを狂人扱いする事で解決できる問題ではなく、そういった考えが支持される要因の一つに、既存のメディアが様々な利害関係から事実を報道しないどころか、偏向的な情報を流し続けたことに対する反発の形であるという事を念頭に置く必要があります。

グレートリセットとは、どういった考え方なのかを具体的に解説

第二次世界大戦後、資本主義経済が世界の中心でした。
いわゆる市場経済であるがゆえに競争が活発化し、それに伴い技術革新などが促進される一方、貧富の差が生まれ、また不当な労働によって搾取される人たち(新彊ウイグル自治区など)によって成り立つ経済であるという一面があること、地球環境に大きく影響を及ぼしていることなどのデメリットも存在します。

あらゆる痛みと限界を抱えた資本主義経済では世界全体が破綻してしまう、そこで資本主義でも社会主義でもない新しい形、今までの資本主義を維持しつつもより社会福祉的なサービスの比重を強め、人々の幸福度に着目する「社会的市場経済」の導入を目指す必要がある。このシステム導入の流れが「グレートリセット」と呼ばれるものになります。

グレートリセットの影響?日本ではベーシックインカムが提供される!?

例えば日本において「毎月各世帯に20万円給付されます」といったようないわゆるベーシックインカムのサービスが政府から提供されるとします。この時点でまず、長時間労働などの心身に悪影響を及ぼすような労働をする必要はなくなります。

普通の価値観は人それぞれですが、月に20万の給付があれば働くことなく生きていくことも可能でしょう。しかしそれでは少ない、もっと収入が欲しいといった人はその利益追求のために自発的に無理のない範囲で労働をすればいいし、収入を得ることが目的ではなく、社会参加や貢献を目的とした労働を希望する人もいるでしょう。

その点において今までのような痛みを伴った労働ではなく、純粋に働きたいという気持ちから維持される経済活動になります。

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AI技術が担うグレートリセットの先にある社会

仮にこの制度で労働人口が激減した場合、その穴埋めをするのがいわゆるAIの技術です。AIによって人間の労働が奪われるのではなく、あくまでAIは人間が負担に感じていた部分の労働を担ってくれるという考えです。

またAI技術の浸透により効率化された経済活動はエネルギー資源の無駄遣いを減らすことにも寄与し、ひいてはそれが環境活動保護にもつながる可能性があります。

労働を強いられる事がなくなった人々は、その余暇時間を利用し環境保全活動や、人としての物質的な概念に囚われない精神的な幸福追求に利用する事も可能でしょう。

こうして経済活動を著しく鈍化させることなく、人間がより幸福を追求できる社会が「グレートリセット」の先にある社会、という事になります。

世界規模の変革になるグレートリセット

もちろんこれらはあくまでグレートリセットを達成するための一例にすぎませんが、この政策をどのように感じるでしょうか。

働かなくてもお金がもらえるという文言だけを切り取れば、そんなうまい話があるわけないと警戒する一方で、経済、社会ともに何かしらの打開策を打ち出さなければ世界全体に限界がきていること、そしてこういった考えを世界のトップがすでに意思決定していることは紛れもない事実です。

この「グレートリセット」が実行されれば、それは第二次世界大戦以降で最も大きな世界規模の変革になるでしょう。
それが人々に幸福をもたらす結果となるかどうかは、その変化を受け入れることになる、私たちの世代がどれだけその価値観を許容できるかにかかっているのではないでしょうか。