大自然、絶景、そんな言葉がぴったりのノルウェー。
雄大な自然の神秘を感じられるノルウェーには、とても不思議な姿をした妖精がいると昔から伝えられています。
そして、単なる伝説上の妖精ではなく、実在するという噂もあるのです。
そのノルウェーの妖精とよばれるのがトロール。
ノルウェーには、トロールに関するスポットや作品などが多数存在しています。
はたして、トロールは実在するのでしょうか?
大自然に囲まれてゆったりと幸せに暮らすノルウェーの人々のように、穏やかな妖精なのでしょうか?
ノルウェーの広大な自然や数多くの作品などと妖精トロールとの関係に迫りながら、存在を追求していきます。
都市と自然が融合するノルウェー
ノルウェーは、都市と自然が融合したとても豊かな国です。
首都オスロには、ノーベル平和賞授賞式が行われるオスロ市庁舎、美しい城、ノルウェー出身の画家ムンクの作品が展示されている美術館などがあります。
漁業がとても盛んで、タラやサーモンなどのシーフード料理を堪能することもできます。
おしゃれなカフェも多く、カフェ巡りを目的に観光する人々もいるほどです。
観光都市として発展している面以外の特徴といえば、なんといっても壮大な自然です。
ノルウェーといえば、やはり、氷河によって削られてできた入江が美しいたくさんのフィヨルドが思い浮かびます。
その他、緑や青、赤などの光のカーテンが夜空に浮かぶオーロラや、太陽の沈まない白夜という現象があることでも有名です。
ノルウェーに伝わる妖精「トロール」とは
そんな大自然を持つ神秘の国ノルウェーには、昔から「トロール」という妖精がいると言い伝えられています。
トロールはトロルとも言い、ノルウェーの森の中に住んでいると言われています。
トロールとはとてつもなく大きな気味の悪い妖精で、毛深く醜い姿をしています。
妖精というよりは、妖怪や化け物のようなイメージで、4本の指、長く伸びた鼻が特徴的です。
二足歩行で人間のような見た目ではあるのですが、角があるもの、頭が3つあるものなどいろいろな姿形をしています。
力が強く、大木を投げ付けるなど凶暴な性格で、人間を襲って食べたりしますが、太陽を浴びると石になってしまうため、昼間は活動しません。
知能が低いこともあり、人間に騙されて太陽の下に行かされてしまうというようなこともあります。
トロール関連スポット
ノルウェーには、トロールに関するスポットが数多く存在しています。
その中でも特に有名なスポット4か所を紹介します。
トロルトゥンガ
1か所目は、絶景ポイントで写真を撮るのが人気になっている「トロルトゥンガ」です。
トロルトゥンガとは、トロルの舌という意味です。
約700mもある崖から水平に突き出た岩がトロールの舌に似ていることから、この名がついたのです。
柵がなく危険ですが、先端まで行き、そこで記念撮影をする人がとても多いようです。
フロイエン山
2か所目は、山頂からの景色が素晴らしい「フロイエン山」です。
ケーブルカーに乗って山頂へ行くと、ベルゲンという観光都市を一望できます。
ケーブルカー乗り場の近くには、大きくて少し不気味なトロールの像があります。
フロイエン山に一歩入ると、森の中の木にはトロールのお面が掛けられたりもしています。
トロルスティーゲン
3か所目は、険しい山の斜面にジグザグの坂道が連なった「トロルスティーゲン」という場所です。
トロルスティーゲンとは、トロルのはしごという意味です。
坂道の全体像を見ると、急斜面にかかる大きなはしごのようで、谷の下からトロールがはしごを登ってきそうだということからこの名がついたのです。
道幅も狭く、急カーブが続き、とても危険そうな山岳道路です。
トロールは、夜に山を駆け回ると言われているため、トロルスティーゲン近くの道路には「トロル出没注意」の標識が立っています。
トロルヴェッケン
4か所目は、1000mを越える巨大な断崖「トロルヴェッケン」です。
トロルヴェッケンとは、トロルの壁という意味で、ロッククライマー達の憧れの場所です。
絵本「三びきやぎのがらがらどん」
ノルウェーには、トロールに関する物語もたくさん存在しています。
そんなトロールの物語の一部が、なんと日本でも語り継がれているのです。
「三びきやぎのがらがらどん」という絵本は日本でとても有名で、幼児に読み聞かせをすることも多い先品ですが、これはノルウェーの昔話がもとになっているのです。
谷川にかかる橋を渡る三匹のやぎを襲って食べようとするとても大きな怪物トロール。
やぎ達が、その怖いトロールと対決するために、知恵を絞って立ち向かっていくという物語です。
[ad]映画「トロール・ハンター」
ノルウェーには、トロールを題材にした映画もあります。
「トロール・ハンター」というタイトルの、ドキュメンタリー風の映画です。
ノルウェー政府は、実在するトロールを森の中に閉じ込め、ノルウェーの人々にその存在を隠し続けています。
しかし、人里に出て家畜を襲ったりするトロールがいるため、トロールハンターというトロールを捕らえる役目の人が捕獲し、抹殺しているのです。
ある時、熊の密猟の噂を聞きつけ、その追跡のために森にいた大学生達は、たまたまトロールハンターに遭遇します。
トロールハンターの仕事は世間的には秘密ですが、トロールへの扱いに疑問を持っていたトロールハンターは、大学生達にトロールの取材をしてもよいと伝えます。
ずっと伝説だと思っていた大学生達の目の前に偶然にもトロールが現れ、物語はどんどん進んでいきます。
トロール、ノルウェー政府、トロールハンターなどのいろいろな実態が見えてくる映画「トロール・ハンター」。
この映画はドキュメンタリー風の作り物なのか、それとも本当にトロールは実在するのか、謎は深まります。
お土産の定番「トロール人形」
トロールは、人形としてノルウェーのお土産の定番にもなっています。
トロールには変身能力があるので、巨人以外の見た目、例えば小人などの姿をしているものもいます。
なので、トロール人形にも大きいものや小さいもの、子供や老人など、たくさんの種類があるのです。
トロールは実在するのか
ノルウェーの人々は、常にトロールを身近に感じながら生活しています。
日常生活で物がなくなったりすると、トロールのいたずらだと表現するほどです。
物語や人形のモチーフにもなるほど、トロールはノルウェーの人々の生活に浸透しているのです。
トロールにちなんだ関連スポットが多いのもうなずけます。
自然に親しむことの多いノルウェーの人々。
人が飲み込まれそうなほどの大自然を目の前にして、畏敬の念を持ち、そこがトロールのいるところだと認識したのかもしれません。
ドキュメンタリー風映画についてですが、この映画を見ると、トロールを単なる伝説として片付けられないという思いに駆り立てられることがあるようです。
最近では、トロールは未確認生物の一種であるともされています。
はたしてトロールは実在するのか、興味は尽きません。
【まとめ】トロール
トロールには、人々に富や幸運をさずけるタイプと破滅と不幸をもたらすタイプの二種類の性格があり、大人のトロールの中には悪さをするものも多いようです。
一番大切なのは、自然に敬意を払うことでしょう。
自然を軽んじていると、トロールの怒りが降りかかるかもしれません。
ノルウェーの大自然を実際に体験する際には、実在するかもしれないトロールの存在を感じつつ、大自然への畏敬の念を忘れないようにするべきですね。