一時期は各種メディアに取り上げられ、一世を風靡した未確認生物「スカイフィッシュ」。
オカルトの類に興味のない方でも、この名前を耳にした方は多いのではないでしょうか?
ところがある時期を境にその情報はプッツリと途絶えます。
一体何があったのか?そしてスカイフィッシの正体は果たして解き明かされたのでしょうか?
本記事ではその謎について迫りたいと思います。
スカイフィッシュ最初の発見
スカイフィッシュが初めて確認されたのは1994年、アメリカ・ニューメキシコ州「ロズウェル」です。
そうです!かの有名なUFO事件「ロズウェル事件」が起こった街なのです。
第一発見者、兼撮影者はビデオ編集業を生業にしていたホセ・エスカミーラという人物でした。
彼はとあるビデオの編集中、動画をコマ送りしていた際、自分の撮影した映像に奇妙な生物が映り込んでいる事に気づきます。
驚愕した彼は何度もその撮影現場に足を運び、その未確認生物、後に「スカイフィッシュ」と名付けられる生き物を探し出そうとします。
ところが幾度となく観察しても、発見には至りません。
もちろん捕獲することも出来ません。ただこの奇妙な生物・スカイフィッシュは持ち帰ったビデオ映像だけにはどういう訳か、ハッキリと映り込んでいました。
これがホセ個人だけの話しでしたら捏造の可能性があります。ホセの本職はその道のプロです。フェイク動画を作ることなど造作もないはずです。
ただ奇妙なことに、この場所で他の誰が撮影してもスカイフィッシュは映像に映り込むのです。
この話が徐々に伝わると多くの人々がホセの模倣をし、発見場所に似た地形でカメラを回します。何とそのカメラにもスカイフィッシュは映り込んでいました。
また何故か遠く離れた日本においても、同じような地形からスカイフィッシュの映像が撮影されるという理解し難い現象が起こります。
更に世界各国からスカイフィッシュの観測報告が次々に挙がる異様な事態となります。
スカイフィッシュの特徴
それらの映像をまとめるとスカイフィッシュの全貌が浮き上がってきます。
体色は全体的に透明に近い淡い白色です。
体幹?と言っていいのか分かりませんが、それは棒状の物です。
そして何よりその体幹にらせん状の様に巻き付いている、透明なケーブの様な布らしきものが最大の特徴です。
バラエティ番組などで捕獲を試したり、検証映像を流したりしたのでイメージがわきやすいかも知れません。
現在でもYoutubeなどで検索をすると、サムネイル画像や各種チャンネルで映像をご覧になれます。
[ad]スカイフィッシュの生態
ロズウェル事件の因果もあり、瞬く間に世界各国でスカイフィッシュの検証が、オカルトマニアから著名な学者まで多種多様な立場から行われます。
目撃証言や遺物などではなく、しっかりと収められた映像があるので検証作業は容易なものでした。
その結果長さ(体長)は数㎝から2mの巨大サイズにまで及び、実に不均一なことが分かります。
共通するのは空中を実に速く、時には時速280㎞もの速度で飛翔している事が判明します。
鳥類の仲間でも速いスピードを誇るツバメの実に10倍ほど、そして新幹線ほどの超スピードです。
そして過去、映像に収められた未確認生物というものは人の身体をすり抜けることが多いのですが、映像には人の身体にぶつかると飛散する様子が映し出されていました。
このため実在する生物なのではないか?という声が大きくなります。
その身体をつぶさに研究していた生物学者ケン・スワードは「体の周りのヒレを波打つことにより空中を高速飛行する生物」と結論付けます。
そして遂に「カンブリア紀に実在したアノマロカリスの生き残りが進化した生物」という説を公式発表します。
ただアノマロカリスは、イカのような形態の水中生物でありしっかりとした眼球を備えています。
反対にスカイフィッシュは水中ではなく空中を飛び、眼球らしきものは全く確認できません。
スカイフィッシュの巣穴の発見
2001年12月、新たな報告が挙がります。
それはメキシコ東部にある直径50m、深さ約500mの巨大洞窟ゴロンドリナスがスカイフィッシュの巣穴の可能性が高いというものでした。
この洞窟は竪穴式の洞窟で、その底はメキシコ湾に繋がっています。
仮説ではメキシコ湾から洞窟の底に流れ込む海水を伝い、スカイフィッシュは移動して来ているということです。
ケン・スワード提唱のアノマロカリス進化説が俄然、現実味を帯びてきました。
周辺の海岸の映像からは海から飛び立つスカイフィッシュの映像も、確かに確認できます。
しかし最終目的の捕獲は依然として進みません。
六甲山にも居た!スカイフィッシュ
映像には映るのになぜ捕獲できないのか?
捕獲さえすればこの未確認生物の正体を暴ける!
世界各国の学者たちはその存在を大前提とした「未確認生物」とスカイフィッシュを位置づけます。
そんな時、意外にも国内の六甲山でスカイフィッシュの撮影が確認されます。
そして更に驚くべき事実が判明します。
それは2001年9月4日付の地方紙、神戸新聞に投稿された記事でした。
それは読者の投稿で、内容は要約すると以下の通りです。
- 40年以上前の9月頃、六甲ケーブルの麓の駅近くでスカイフィッシュに遭遇した。
- 竹の棒でトンボを捕まえようとしていたら、仲間がギャーっと叫ぶので、見ると何かに腹と左腕を切られて深さ2cmの傷を負っていた。
- 周囲の空中に、透明なクラゲみたいな生物が30匹以上飛んでいた。
- その生物は長さ50cmほどで細長く、両側に約20cmの翼がありラップのように透明であった。
- 竹の棒をふりまわして2匹ほどやっつけると、体から粘液を出して溶けてしまった。
- 「六甲山では細い棒をふりまわしてはいけない、ズタズタに切られるから」という伝説が数百年前からあるらしい。
地方紙とはいえ新聞会社です。
その信憑性に更に裏付けが加わります。
この話が瞬く間に広がり、全国のオカルトマニア・学識者がこの地で捕獲を試みます。
しかしまたしても、捕獲までには至りません。
姿はそこにある、ただ実体がない…この矛盾は何なのでしょうか?
遂に暴かれたスカイフィッシュの正体?
もちろん未知の生命体に否定的な意見の人が大多数でした。
そして否定派はカメラそのものの現象に目を付けます。
それは2000年代に開発された、より技術の高い「ハイスピードカメラ」が起因でした。
1994年頃のビデオカメラとは比較にならない性能の差です。
昔のビデオカメラは性能の限界で「モーションブラー現象」が起こりやすいという特徴を持っていました。
簡単に説明すると、被写体の極端に短かい瞬間をレンズに収めきれず、残像により伸びたり、ぼやけてしまう現象を指します。
つまりスカイフィッシュはこの「モーションブラー現象」によって引き伸ばされた、何かしらの物なのではないか?という話です。
実際に当時最新のハイスピードカメラに映し出された被写体は、何と「ハエ」だったのです。
スカイフィッシュの体幹はハエの残像上の軌道に過ぎず、その羽衣の様なものは羽が上下にはばたく残像でした。
そしてハエに限らず、過去に撮影された地やゴロンドリナス洞窟においてさえ、透明なカゲロウの一種や、洞穴性の蛾の一種と確認されました。
このことが決定的となり、スカイフィッシュ生存派の声は急激に小さくなり、解決した未確認生物として位置づけられてしまいます。
スカイフィッシュはプラズマ生命体!?再登場の可能性も
この様に完全に解決された出来事として過去のものにされたスカイフィッシュ。
ただもう一つ特筆すべきは、どういった訳か「電磁波」の多い場所でよく観察されたということです。
ゴロンドリナス洞窟・六甲山共に多くの断層が走り、かなりの地磁気が観測されているのは事実です。
そのため未だこの奇妙な生物の正体はUFOなどと同じく「プラズマ生命体」という説があります。
初期に発見されたカメラの様に、我々の科学は累進月歩で進化しているので、もしかしたら近い内に、スカイフィッシュが再登場するとも限りません。