吸血鬼の子孫たちは実在した!欧米に潜む吸血鬼の実態とは

神秘

吸血鬼と聞いても何のことかわからない、という人はほとんどいないでしょう。ほとんど反射的に「ドラキュラ」という名前を思い浮かべる人も多いはず。

吸血鬼はそれほど有名な西洋を代表する妖怪の一つです。ゾンビが登場するまでは、フランケンシュタインの怪物、狼男と並ぶ、怪奇映画界の三大スターの一人でした。

そんな吸血鬼の子孫と名乗る人たちが実在している?今回はそんな話です。

そもそも吸血鬼とは

ドラキュラ

一般的に日本人は吸血鬼にどんなイメージを持っているでしょうか。

  • 血を吸う。血を吸われた人も吸血鬼になる。
  • 不老不死で何百年も生きている。
  • 鏡に映らない。
  • 太陽と十字架とニンニクが苦手。
  • コウモリに変身する。
  • イケメンで、古風なマントと礼服をかっこ良く着こなしている。
  • 女の吸血鬼はすごくセクシー。
  • 棺桶で眠る。

だいたいこんな感じではないでしょうか。
でも、これらのイメージのほとんどは映画が元になっています。

血や生命力を吸い取る妖怪の伝説は世界中にありますが、映画の元になっているのはハンガリーなど東欧の伝説です。バンパイアとも呼びます。

実在した吸血鬼だと思われた人々

現在では、吸血鬼の存在を信じている人は少ないでしょうが、昔は多くの地域でその実在が信じられていました。

ヨーロッパでは、吸血鬼の墓と思われるものが多数発掘されています。

古いヨーロッパの墓からは、胸に杭を打ち込まれたり、首を切り落とされた死体が時々見つかります。吸血鬼が生き返るのを防ぐためです。

実際、昔の死体は時々生き返りました。吸血鬼だったからではなく、死亡診断技術が未熟だったため、まだ死んでない人を死んだと判断して、墓に埋めてから息を吹き返したりしたのです。

生き返った人に何の罪もなくむしろ被害者といって良いのですが、吸血鬼だと思われて一族全員が殺されたりする不条理なことも起りました。

むごい仕打ちをする人に対して「鬼!悪魔!吸血鬼!」と罵ったりしますが、現実に残酷なことをする人は、比喩ではなく吸血鬼だと信じられることもありました。

中世ルーマニア・トランシルバニア地方のワラキア大公、ヴラドは通称ツェペシュと呼ばれました。ツェペシュとはルーマニア語で「串刺し」という意味です。

彼は、忠誠心の低い貴族たちを数多く串刺しの刑に処しました。今や吸血鬼の代名詞ともなった小説「ドラキュラ」のモデルはヴラドだといわれてます。

現代にもいた500歳の吸血鬼

ドラキュラ実在
21世紀の現代になっても、吸血鬼の噂は絶えません。それどころか、自分は吸血鬼だと自称する人だってたくさんいるのです。

発展途上国の未開民族の話ではありません。先進国の大都会の話です。

もちろん、自分を吸血鬼だ主張する思春期の少年少女、いわゆる中2病の症状でもありません。彼らは大真面目です。少なくとも大真面目に見えます。

アメリカでは、当時19歳の男性が、近所の女性に噛み付いて血を吸おうとした、という事件が起きています。

彼は住居侵入の容疑で逮捕されましたが、自分は500歳の吸血鬼だと主張していたそうです。

家系図を調べると、イギリス王室には前に述べたヴラド公と血のつながりがあるそうです。

実際に、チャールズ皇太子はあるインタビューで「私はトランシルバニアの血が流れている」と言っています。

ルーマニア政府はこれに着目し、イギリスからルーマニアへの観光客を呼び込むキャンペーンに利用しました。

2000人もいるイタリア吸血鬼協会

イタリアには「イタリア吸血鬼協会」という吸血鬼の集まりすらあります。

その数なんと2000人。カミングアウトせずに密かに暮らしている吸血鬼も多いだろうことも想像できますから、実態はもっと多いでしょう。

協会の会長によると、協会は2013年に発足した正式な組織だということです。吸血鬼の権利のために闘い、また医学的な研究なども扱います。

会長による説明では、現代の吸血鬼たちは不死ではないし、十字架やニンニクを怖れることもありません。ちょっと特異な体質の人間として生活しているのだそうです。

体温は34~34.5度とかなり低め。太陽は苦手ですが、太陽光線で死ぬことはないそうです。

吸血鬼は骨折しても治りが早く、会長自身の経験では、医者から全治2か月と言われた骨折が10日ほどで直ったといいます。

吸血鬼の生活リズムは昼夜反転していて、夜活発で昼眠くなります。

会長によれば「これらの特徴はアメリカの医者によって確認されている」ということですが、それを記した論文は確認できませんでした。

吸血鬼に必要なのは本質的には血ではなく「生命エネルギー」なのだそうです。血を吸うのは、最も簡単な生命エネルギーの抽出方法だからなのです。

現代の吸血鬼は、他の方法で生命エネルギーを抽出できるので、血を吸ったりしない、とイタリア吸血鬼協会の会長は言っています。
アメリカでは少し事情が違うようです。
[ad]

アメリカの吸血鬼の実態とは

ジョン・エドガー・ブローニング氏は、2009年からアメリカに住む吸血鬼の実態調査を続けています。

吸血鬼は外見からは人間と見分けがつきにくいそうで、見付け出すのは困難だといいます。しかしブローニング氏は根気よく探し出し、数多くの吸血鬼に出会い、インタビューをしたそうです。

アメリカでは生命エネルギーの抽出方法が普及していないのか、今でも吸血鬼は血を必要としています。

しかし、映画のように誰かを襲って血を吸うような犯罪は行なっていません。

なんと、有志で、つまり吸血鬼のために自発的に提供者となってくれる人間から、血を分けてもらうのだそうです。提供者の健康も調べて問題のない血を譲ってもらいます。

ブローニング氏の調査では、吸血鬼の性格には地域差もあるそうです。バッファローに住む吸血鬼は世界中の仲間と連絡を取り交流しています。きっとイタリア吸血鬼協会とも交流があるのでしょう。

それに対して、ニューオーリーンズの吸血鬼は地元の付き合いを大事にしています。

吸血鬼同士が助け合うほか、地域の他の人たちとのつながりも重要視していて、ボランティアやホームレスの支援などにも参加します。でも、やはり吸血鬼なのは秘密にしているそうです。

ママは吸血鬼?吸血鬼同士で結婚した事例

2013年、イギリスの「デイリー・ミラー」や「サン」といった有名な新聞に、そんなアメリカの吸血鬼の一人が紹介されました。

その人は、ペンシルバニア州に住む、当時45歳の女性です。介護福祉士の彼女は、10代の頃、ファーストキスの最中に血が飲みたくなり、それから30年も定期的に血を飲み続けているそうです。

彼女は、血が飲みたくなると吸血鬼ファンの集まる「バンパイアカフェ」のようなところや、インターネットで提供者をつのります。
提供者が現れると自宅に招き、消毒した刃物で皮膚を少し裂いて血を吸うのだそうです。

彼女は、同じ趣味の男性と出会って結婚、つまり吸血鬼同士で結婚し、2人の子供に恵まれましたが、その後離婚しました。ちなみに、別れた元夫は血を吸うのはやめたそうです。

すでに成人している2人の子供は、母親の趣味には否定的。悪趣味だからというより、健康面の危険を心配しているようです。

欧米だけでない日本人にもいた吸血鬼ならぬ鬼の子孫

欧米には、今でも吸血鬼の子孫や、自称吸血鬼という人がたくさん居る事を紹介しました。

「欧米の奴らは、なんて愉快なんだ」と思われたでしょうか。ところが、日本にも似たような人たちがいるのです。彼らは、吸血鬼ならぬ鬼の子孫と称しています。

奈良県の紀州山地の奥深くには、修験道の開祖である役行者に仕えた鬼の子孫という家が今も続いています。

吸血鬼にせよ鬼にせよ、彼らが本当にそう信じているのか、そのように演じて楽しんでいるのか、本当のことはわかりません。

どちらにしても「本当ですか」と訊けば「本当です」と応えることになるからです。悪魔を名乗るデーモン小暮閣下と同じです。