日本の妖怪「河童」の謎。その正体や目撃情報

河童

「河童」は日本全国にその伝説や目撃情報が残っています。

小説やアニメにも登場することも多い河童ですが、時には人間を池や川に引きずり込む恐ろしい妖怪として描かれていたり、時にはユーモアがある可愛いキャラクターとして描かれたりすることもあります。

一般的には伝説上の生き物とされていますか、本当に物語の中だけの生物なのでしょうか?

妖怪「河童」とは?

河童と聞くとどんな姿が思い浮びますか?

  • 全身緑色
  • 頭お皿
  • アヒルのような嘴
  • 手足には水かき
  • 子どもくらいの身長
  • 背中には甲羅
  • 蓑を背負って笠をかぶっている
  • キュウリ大好き

このような姿の河童をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

しかしながら、日本全国の河童伝説を詳しく調べてみると、実に様々な姿の河童が存在することに驚きます。

河童は、大きく分けると、「爬虫類・両生類型」「獣人間型」に分けられます。先ほど例に挙げた爬虫類・両生類のような緑色の河童の姿は、実は関東地方独自の河童の姿だとも言われています。

九州地方の「ガラッパ」「ヒョウスベ」、兵庫県の「ガタロ」「ガータロ」、広島県の「エンコウ」、四国の「シバテン」などと呼ばれることもある西日本の多く河童は、全身に毛が生えていて、牙があり、獣のような姿をしていて猿のようだったり、カワウソのようだったりする獣人間型です。

現代に残る河童のミイラ

河童2

現在、河童のミイラと伝えられているものが残っています。テレビや写真で見たことがある方も多いかもしれませんね。まさに河童が生きていたという証拠といったような姿。

いま日本に残されている有名な河童のミイラをご紹介します。

松浦一酒造(佐賀県)で発見された河童のミイラ

河童のミイラとしては最も有名なミイラは、佐賀県にある松浦一酒造で発見されたミイラです。

屋根の吹き替え工事の際に屋根裏にあった「河伯」と書かれた箱の中で発見されました河童のミイラは、体長70センチくらいで、頭頂部には凹みがあり(皿?)、手の指は5本、足の指は3本、指の間には水かきがあるとのこと。

甲羅はないようですが、まさしく河童のように見えます。DNA鑑定はされていないそうなのでその真偽はわかりませんが、水の守り神・お酒の守り神として今でも大切にされています。

瑞龍寺に保管されている河童のミイラ

大阪市にある瑞龍寺にも河童のミイラが保管されています。残念ながら現在は木箱に収められ一般公開はされていないようです。

瑞龍寺の河童のミイラはまさしく河童のイメージそのものの姿です。このミイラは、驚くことに髪の毛まで残っています。

ミイラが保管されている箱には「天和2年」と記されているとのことで、5代将軍 徳川綱吉公の時代、八百屋お七による江戸の大火が起こった1682年に堺の商人によって奉納されたようです。

ちなみに、瑞龍寺には、河童のミイラの他にも龍のミイラ、人魚のミイラも保管されています。

日本全国の河童伝説

河童伝説

河童にまつわる伝説や伝承は、北海道から沖縄まで日本全国に広がっています。

ここでは、北海道から九州地方まで言い伝えられる有名な河童伝説をご紹介します。

北海道の河童伝説

北海道の有名な河童伝説は定山渓温泉豊平川にあります。

諸説あるようですが、美少年が急に川に引き込まれ、その数年後、父親の夢に現れた息子は「女性の河童に気に入られて川に引き込まれたが、今では河童の国で子どもも生まれ幸せに暮らしている」と伝えたということです。

それ以来、豊平川では川に引き込まれて溺れる者がいなくなり、河童は守り神となったと伝えられています。

牛久沼(茨木県)の河童伝説

全国でも有名な河童伝説のひとつがこの牛久沼の河童伝説です。

牛久沼に住む河童は、子どもたちの足を引っ張ったり魚とりの網を破ったりといたずらばかりしていました。

そこで村で一番強い若者が河童退治をすることに。その若者は、見事に河童を捕まえ、沼辺の松の木にくくりつけ懲らしめましたが、河童が泣きながら謝る姿を見て沼へ返してやりました。

それ以来、逃がしてもらった時の約束を守り、河童は二度と悪さをしなかったことはもちろん、沼の周りの葦を刈ったりする、人間の役に立つ河童となったそうです。

この他にも、牛久沼周辺にはたくさんの河童伝説が残っています。

九州の河童伝説

九州には河童伝説が多く残っています。中でも面白いのが、河童渡来の地であるという熊本県八代市の伝説です。

仁徳天皇の時代(古墳時代)、中国の黄河に住んでいた河童一族が海を渡り八代に上陸し住み着きました。

河童一族は繁栄し、西国(九州)で9千匹の河童を率いるようになり、河童の親分は九千坊と呼ばれるようになりました。

時を経て、この九千坊河童の物語は、熊本城築城主 加藤清正の命ぜられた猿軍団によって捕らえられ、筑後川へ・・・そして江戸へ、そして全国へ・・・と河童は広がっていったそうです。

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河童はどこにいる?目撃情報まとめ

河童目撃情報

河童の正体については、これまで多くの人に語られてきました。昔から伝えられてはいる伝説・伝承は多いものの、近代の河童の目撃情報はほとんどなく、証拠と呼べるものは前出のミイラくらいしかありません(他にも河童の手足のミイラとされるものは日本全国にいくつか残っています)。

ここでは河童を見たという有力な目撃情報を2つお伝えします。

対馬での河童の目撃情報!

対馬

1984年 長崎県の対馬で夜中に漁師が川べりで遊ぶ複数の子どもたちを見かけ、声をかけようと近づいたところ、その姿はヌメっとした青黒い肌、異様に細い手足であったと言います。漁師に気づいたその生物は、次々に川の中へ消えていきました。

翌日、現場には約20メートにわたってたくさんのおたまじゃくし型の足跡が無数残されていました。

水にぬれているだけに見えていたその足跡ですが、実は粘性の物体であったらしく、乾いてそのまま道路にこびりついて数か月にわたり残されてしまったといいます。

西都市の民家に残された河童の足跡?

1991年 宮崎県西都市では、民家に住人が夕方頃帰宅すると、7センチほどの無数の不可思議な足跡がたくさん残されていました。

そこにはオレンジ色の粘性の物体も残されていて、顔をしかめるほどの腐ったドブのような異臭したそうです。

人間や既存の動物の物とは思えないその足跡から、河童ではないかと騒動になったといいます。

長崎県、宮崎県は共に河童の伝説・伝承が多い地域で、河童の手足のミイラなどもいくつか残されています。

また、九州は河童渡来の地ともされていることから、全国的に見ても、九州地方は河童の重要拠点であったのかもしれません。

しかしながら河童に関する有名な情報は上記2つくらいであり、以降、有力な目撃情報はほとんどありません。

しかしながら、戦国時代、江戸時代までさかのぼると、伝承の中にたくさんの河童の目撃情報があるようです。

河童の正体は?河童の正体に諸説あれど

未確認生物

河童の正体であろうと伝えられている4つの諸説をご紹介します。

この4つの諸説の中に正解があるのか、それとも実際に河童はいるのか。

河童は見間違いの産物?

河童の正体としてよく耳にするのが野生動物等との見間違い説です。今では絶滅したといわれる「ニホンカワウソ」「スッポン」などが河童の候補に挙げられています。

時には人間の子どもが遊んでいる姿を見間違えたといわれることもあります。

確かに、昔の日本には現在のような街灯の明かりも少なく見間違うこともあったかもしれません。

水死体説

水死体は肌が緑色に変色し、身体が膨張して甲羅のように見える可能性もあること、また髪の毛も河底などとの接触により抜けたり損傷したりすることも多く、頭のてっぺんの髪の毛が抜け落ちてお皿があるかのように見えることもあるようです。

江戸時代など庶民の暮らしが苦しい時代は子の間引きが行われることもありました。

それを他の子どもに悟られないため、河童という架空の生き物を生み出したとの説もあります。この説であれば河童は子どもくらいの体長だとよく言われているのも頷けます。

河童は未確認生物?絶滅生物?

河童は未確認生物、いわゆるUMAであるという説もあります。

世界中にはチュカパブラ、フライングヒューマノイド、イエティなどの未確認生物がいるとが誠しやかに語られています。だとすれば、河童は日本一有名な未確認生物だといえます。

また、戦国時代から江戸時代頃には目撃情報数多く残されていることから、実際に存在していたが絶滅してしまった生物である可能性も考えられます。

ニホンカワウソが最後に目撃されたのは1986年です。先ほどご紹介した目撃情報の年代とも非常に近く、気になるところでもあります。

河童は宇宙人だった!!河童はエイリアン?

グレイ型宇宙人と河童、言われてみれば、確かに似ています。子どもくらいの大きさ、細長い手足、ツルンとした肌、色の違いは多少ありますが、薄暗い中で見ればほとんどわからないかもしれません。

江戸時代にはUFOの目撃情報らしき文献「虚舟」(うつろぶね)も残っています。

河童の目撃情報も江戸時代にはたくさん残っていることから、ありえない話ではないようにも思われますよね。

【まとめ】河童を目撃するのはあなたかも

河童目撃あなた

みなさんがこれまで知っている河童と今回ご紹介した河童、何か新しい発見はありましたでしょうか。

お近くの川や池にも河童の伝承などが残っていたりすることもありますので、ぜひお探しいただければと思います。

河童の目撃するのは、次はあなたかもしれません!