役への肉体的コミットメント
ここでは、役作りのために身体そのものを変化させた2人を紹介。長期間のトレーニングや身体的な準備が必要とされた役柄だ。
11.真木よう子 映画:ベロニカは死ぬことにした(2005)
一言で体当たりポイント:生と死の境界を漂う”浮遊感”の身体表現
パウロ・コエーリョの小説を原作にした作品。真木よう子は、自殺を考える女性・ベロニカを演じた。
この役で真木が見せたのは、「生きることへの執着が薄い人間」の身体性。地に足がついていないような浮遊感を、姿勢と動きだけで表現している。重いテーマを扱いながらも、説明的にならない抑制された演技が光る。
演技の観察ポイント
- 表情:感情が読み取りにくい、どこか遠くを見ているような目
- 動き:ふわふわとした歩き方、重力を感じさせない身のこなし
- 声・間:感情を込めないフラットな語り口
初見向けの見方 他の登場人物との対比を意識して観るとわかりやすい。真木だけが「違う世界にいる」ような存在感を放っている。
同タイプで刺さる人 → 趣里の精神的不安定さの表現が好きな人に
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12.伊藤沙莉 映画:獣道(2017)
一言で体当たりポイント:過酷な境遇を生き抜く少女のリアルな生命力
内田英治監督による作品。伊藤沙莉は、厳しい環境で生きる少女を演じた。
伊藤が見せたのは、「生き延びるための強さ」を持った身体。きれいごとではない、泥臭い生命力を全身で表現している。彼女特有のハスキーボイスも、この役では「過酷さを生き抜いてきた証」として機能している。
演技の観察ポイント
- 表情:年齢以上の経験を感じさせる目の奥の影
- 動き:警戒心と攻撃性が同居した身のこなし
- 声・間:ハスキーな声質を活かした説得力
初見向けの見方 伊藤が「笑う」シーンと「笑わない」シーンの差に注目。この落差が、キャラクターの複雑さを物語っている。
同タイプで刺さる人 → 河井青葉の過酷な状況を生きる役が好きな人に
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【このページのまとめ】 真木よう子と伊藤沙莉。対照的な役柄だが、どちらも「身体で状況を語る」演技をしている。真木は「生への執着の薄さ」を、伊藤は「生き抜く強さ」を、それぞれ身体表現で見せている。言葉に頼らない演技の力を感じさせる2人だ。
