“キャリアの転機”となった覚悟の演技
ここからは、それまでのイメージを覆す役に挑戦した2人。どちらも「この役を引き受ける」という決断自体が、大きな覚悟を必要としたケースだ。
5.安達祐実 映画:花宵道中(2014)
一言で体当たりポイント:元・国民的子役が見せた”大人の女優”への脱皮
子役時代から第一線で活躍してきた安達祐実が、遊郭を舞台にした本作で新境地を開いた。吉原の遊女・朝霧を演じ、これまでのイメージを完全に刷新している。
体を張っているのは、設定の過激さではない。「安達祐実」という確立されたイメージを捨て、一人の女性の情念と哀しみを表現しきった覚悟だ。この作品以降、彼女は演技派女優として新たなキャリアを歩み始めた。
演技の観察ポイント
- 表情:遊女としての「作った笑顔」と、素の感情が漏れる瞬間の落差
- 動き:時代劇特有の所作を自然にこなす身体の使い方
- 声・間:艶と寂しさが同居する声色の繊細なコントロール
初見向けの見方 「安達祐実が出ている」という先入観をいったん外して観ることをおすすめする。一人の女優の演技として純粋に観ると、その技術の高さに気づくはずだ。
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6.沢尻エリカ 映画:ヘルタースケルター(2012)
一言で体当たりポイント:美の虚しさを体現した”狂気と崩壊”の熱演
岡崎京子の伝説的漫画を蜷川実花監督が映画化。沢尻エリカは、全身整形で頂点に立つモデル・りりこを演じた。
この役の「体を張った」ポイントは、美しさの裏にある不安定さ、そして崩壊していく様を全身で表現したこと。スキャンダル後の復帰作として、彼女自身の状況とも重なる部分があり、虚構と現実の境界が曖昧になるような迫力があった。
演技の観察ポイント
- 表情:完璧な笑顔が崩れる瞬間の恐ろしさ
- 動き:序盤の優雅さと、後半の制御不能な身体の対比
- 声・間:ヒステリックな叫びと、ふと訪れる静寂
初見向けの見方 りりこの「目」を追い続けてほしい。物語が進むにつれ、その目に宿る光が変化していく。沢尻の演技設計の細かさがわかる。
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【このページのまとめ】 安達祐実と沢尻エリカ。どちらも「すでに持っていたイメージ」を武器ではなく、むしろ乗り越えるべき壁として挑んだ点が共通している。過去の自分を捨てる覚悟——それこそが、この2人の「体を張った」の本質だろう。
