フリーメイソンやヤタガラス、イルミティなど秘密結社と呼ばれるこれらの組織は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
多くの会員数と力を持ち、あまり表立って活動することはありませんが、国を動かすほどの影響力を持つと言われています。
昨今では、数多くの都市伝説や噂が囁かれ、知れば知るほど奥深く迷宮じみたその魅力は、浪漫の一言に尽きると私は、感じます。
今回はそんな秘密結社の中でも一際、謎とオカルトに満ちた組織、SCP財団について解説していこうと思います。
SCP財団とはどのような組織なのか
SCP財団とは、自然の理に反した存在や物などを収容・保護する架空の組織です。
始まりは、英語圏の某匿名型掲示板で、ある一つの投稿をきっかけに、写真から物語を創作する遊びとして始まりました。
最初のSCP『SCP-173「彫刻-オリジナル」』を始めとし、それを見た他のユーザーがその投稿を真似し、同じような世界観で「報告書」として投稿し始めました。
この架空の生物や現象の投稿は瞬く間に広がり、やがてSCP財団と呼ばれる組織として、世界中に浸透していきました。
現在でも、多くの報告書が寄せられていて、新たな事例が次々と発見されています。かなり、オカルトじみたものが多くメタ的な要素もあるので刺さる方にはとても刺さると思います。
SCPオブジェクトとプロトコル番号について
SCP財団は、通称SCPオブジェクトと呼ばれる生物や物品を収容しています。
SCPオブジェクトは、人類に危害を加えるか否かでクラスに分かれており、最大級のものともなると国を消滅させるほどの力を持ちます。
中には、写真であっても目を見つめただけで洗脳させられてしまったり目視を続ければ動きませんが、瞬きした一瞬でおそいかかってくるとにかく異様なものが数多く収容されています。
そんなSCPオブジェクトを、人目に晒すことのないよう厳重に保護している組織が、SCP財団というわけです。
作品世界におけるSCPオブジェクトは、それぞれが『特別収容プロトコル「Special Containment Procedures」』と呼ばれる、プロトコル番号を持ち、その番号を呼称として保護しています。
例にあげると、『SCP-173「彫刻-オリジナル」』のプロトコル番号は『SCP-173』といった形です。
危険度により分類される「オブジェクトクラス」
SCPオブジェクトは、オブジェクトクラスと呼ばれるオブジェクトの収容難易度によりクラスが分かれていて、この指標は危険度を表すものともされています。主なクラスは3つに分類されていて、他にも例外クラスとしてさまざまクラスにオブジェクトを割り振っています。
Safe 危険度★★
現時点において安全かつ確実に収容できるか、対象をわざと活性化させない
限り異常な現象は発生しない、というものがこのクラスに分類されます。
しかし、意図しないだけでその影響力は核爆弾に匹敵します。
Euclid 危険度★★★
性質が不明であるか予測が立てられない場合、こちらに分類されます。
安全に収容できるかは難しいですが、keterほどの危険性はありません。
性質が判明するか再分類されるまで一時的に、このクラスに分類される
ことが多いです。
Keter 危険度★★★★★
財団及び全人類へ対する危険性が高く、文明に損害を与える存在で
あるものがこのクラスに相当されます。SCP財団はこれらのオブジェクトを
収容することを目標としていますが、最終手段として破壊、又は死滅させる
こともあります。
例外クラス
Neutralized 危険度★★
何らかのかたちによって非活性化(無力化)したオブジェクトに割り振られる
クラス。念の為、資料などは保管していて万全の対策を取っているクラスです。
Explained 危険度★
現時点での科学で解明できるほどのオブジェクトに割り当てられるクラス。
また、収容不可能なほど流布したものもこのクラスになります。
Thaumiel危険度★
Keter並みの危険度を持ちますが、財団にとって有益な存在と認定した際に
割り振られるクラスです。
SCPオブジェクトの危険度が高い5選!!
1、 SCP-682(不死身の爬虫類)
分類 Keter 本部収容
どれほどの傷を負わされても絶対に死ぬことのないトカゲ型の生物。
人類に対して憎悪感を持っていて、人の言葉を扱えます。幾度にも渡って、
財団も保護を試みていますが、破壊せざるを得ないと判断しています。
2、 SCP-239(ちいさな魔女)
分類 Keter 本部収容
思ったことが全て現実となってしまう、8歳の少女。
財団は彼女に「自分は魔女であり、教わった魔法しか使えない」と洗脳させる
ことで、能力に制限を設けていましたが最終的には薬物投与による昏睡状態に置かれることとなりました。
3、SCP-426(私はトースター)
分類 Euclid 本部収容
関わった人間が「私」としか、呼称できなくなってしまうトースター。
接触し続けると「自分はトースター」だと、思い込んでしまいトースターとして
行動するようになってしまいます。
4、SCP-094-jp(海洋人間)
分類 Euclid 日本支部収容
20代の日本人男性で血液を顕微鏡で観察すると、その中にさまざまな
小魚に見える生物が確認されます。彼が体調不良を起こすと、現実の海でも
何らかの被害が発生すると言われています。日本支部で初めての報告書と
してあげられた、オブジェクトです。
5、SCP-100-jp(屋根裏部屋の宇宙)
分類 Safe→Euclid→Keter 日本支部収容
木造建築の屋根裏部屋にあるミニチュアの宇宙。中にある模型の惑星や恒星が壊されると、同期して実際の惑星も破壊されます。現在、建築物は老朽化が
進んでいて、建物が崩れれば宇宙ごと破壊されるのでは、と懸念されています。
SCP財団が注視する団体
・世界オカルト連合(通称GOC)
国連の下部組織であり、終末論や陰謀論に関する組織を連合した組織。
SCP財団が「収容・確保・保護」を目的としているのに対して、GOCは「異常存在の徹底破壊」を目的として、掲げているため方針の違いから対立関係にあります。しかし、事案によっては共同作戦が行われることもあります。
・蛇の手
小規模団体ではありますが、幾度にも及びSCP財団を悩ませてきた組織。
組織の指導とされる女性「L.S」は単独で2度も財団のセキュリティを突破して収容違反を起こさせています。
この組織の目的は「全ての異常存在や超常的現象を認め、全人類に公表すべき」であり、根本的な違いから対立しています。また、蛇の手はGOCとも同様な理由から敵対関係にあるとされています。
・連邦捜査局 異常事件課(FBI UIU)
連邦捜査局内に設立されたSCPの捜査機関。
しかし、SCPオブジェクトに対する知識不足の捜査員と財源不足という点で、あまり注視されていません。
FBI内では「キャリアの袋小路」などと、揶揄されいます。
・マーシャル・カーター;ダーク株式会社
ロンドンを拠点にしてSCPを販売している企業。
自分たちで発見したSCPの販売を先進国で行なっている、危険な会社です。
社員数は100名以下と少数であり財団やGOCと敵対しています。
実際に存在している?SCP財団
さて、SCP財団について長々と説明させて頂きましたが、その実体についてお分かり頂けましたでしょうか。
あくまでもSCP財団は架空組織でありますが、その緻密な設定と都市伝説じみたSCPオブジェクトたちは、実際に存在しているのではと感じざるを得ません。
他にも数多くのSCPオブジェクトたちが収容されており、ネット上で検索をかければ実際の姿の写真なども閲覧できるため興味が湧かれた方は是非、見てみて下さいね。
多くの未確認生物の噂が流れている昨今ですが、もしかしたらSCP財団にあげられた「報告書」と、似たような事例が実際に起こり得るかもしれませんね。