“存在するだけで語る”演技力
台詞や動きではなく、ただそこにいるだけで何かを伝える。そんな難しい演技に成功した2人を紹介する。
21.市川実和子 映画:コンセント(2002)
一言で体当たりポイント:精神的崩壊を”静かに”演じる怖さ
田口ランディの小説を映画化。市川実和子は、弟の自殺をきっかけに精神的に追い詰められていく女性を演じた。
派手に崩壊するのではなく、静かに壊れていく恐ろしさ。市川はその過程を、抑制的な演技で表現した。感情を爆発させないからこそ、観る側がじわじわと不安になる——そんな演技設計だ。
演技の観察ポイント
- 表情:何を考えているかわからない空虚な目
- 動き:日常動作のぎこちなさ、リアリティの喪失
- 声・間:平板な話し方が醸し出す違和感
初見向けの見方 「普通に見える」シーンの中に潜む異常さを探してみてほしい。市川の演技は、よく見ると至るところにサインが隠されている。
同タイプで刺さる人 → 真木よう子の浮遊感のある演技が好きな人に
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22.芳賀優里亜 映画:赤×ピンク(2014)
一言で体当たりポイント:地下格闘技のリアルを身体で表現するアクション力
櫻井淳子の小説を映画化。芳賀優里亜は、女性だけの地下格闘技イベントに出場するファイターを演じた。
芳賀がこの作品で見せたのは、本格的な格闘アクション。スタントに頼らない打撃シーンには、長期間のトレーニングの成果が表れている。戦う女性の身体性をリアルに表現した。
演技の観察ポイント
- 表情:戦闘中の集中力、勝利への執念
- 動き:格闘の型、ダメージを受けた時のリアクション
- 声・間:息遣い、気合の入れ方
初見向けの見方 格闘シーンで「本当に痛そう」と感じる瞬間に注目。芳賀の身体の使い方が、そのリアリティを生み出している。
同タイプで刺さる人 → 清野菜名のアクション演技が好きな人に
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【このページのまとめ】 市川実和子と芳賀優里亜。静と動という対照的なタイプだが、どちらも「身体で語る」演技をしている点では共通する。言葉に頼らず、存在感と身体表現で観客を引き込む力を持っている。
