競馬を少しでもかじった人なら、競馬予想の難しさを痛感しているはずです。
たまたま偶然当たることはあっても、連続で馬券を的中させるのは至難の業です。
ですがそんな至難の業をやってのけたと言われる人が、2003年に彗星のごとく現れました。
その人はミラクルおじさんと呼ばれていて馬券を連続的中させた結果、なんと約2億円もの配当を得たといわれています。
そこで競馬の都市伝説として非常に有名なミラクルおじさんのエピソードについて紹介します。
稀代の穴馬ヒシミラクルの勝利を予想して約2億円の配当を獲得
競馬ファンの間にミラクルおじさんのことが広く知れ渡ったのは、2003年の宝塚記念のレース後です。
この宝塚記念でミラクルおじさんは6番人気だったヒシミラクルの単勝を約1200万円近く購入したところ、見事その予想通りになって約2億円の配当を獲得したといわれています。
ミラクルおじさんと呼ばれるようになったのは、ヒシミラクルの単勝馬券を買って奇跡的な的中を成し遂げたからに他なりません。
宝塚記念で1番人気のシンボリクリスエスと2番人気のネオユニヴァースは、どちらも当時を代表する名馬です。
この時点ではヒシミラクルも菊花賞と天皇賞・春という2つのG1タイトルを勝っていたのですが、上位人気2頭とは違い人気薄での勝利だったため、その実力をフロック視されていました。
でsがそんな人気にならないG1馬のヒシミラクルに目をつけて単勝を1200万円近く購入して2億円にしたというのですから、その予想センスのすばらしさには脱帽するしかありません。
また馬連やワイドや3連複をバラバラと何点か購入するのではなく、昔ながら単勝1点買いのスタイルで高額配当を手にしたという馬券の買い方も、話題を集めた要因の1つです。
まさしく伝説の馬券師と呼ぶにふさわしいですし、競馬で儲けたいと思っている人には非常に夢のある話です。
宝塚記念でつぎ込んだ約1200万円も馬券の的中で用意した
高額とはいえ馬券を的中させたのがただ1回だけなら「たまたま偶然当たったのでは」で済まされてそれほど話題になりませんが、このミラクルおじさんが凄いのは宝塚記念でつぎ込んだ約1200万円ものお金を、馬券の的中により短期間で用意しているという点です。
もともとお金持ちで最初から約1200万円ものお金を持っていた、ということではありません。
この約1200万円を宝塚記念でつぎ込むまでの的中過程には諸説あります。
たとえばこの年の天皇賞・春でも、ミラクルおじさんはヒシミラクルの単勝を買っていたという説です。
前の年の菊花賞を勝っていて同じ長距離の天皇賞・春は、ヒシミラクルにとって絶好の舞台です。
しかしその菊花賞後は3戦連続敗戦を喫しており、天皇賞・春をむかえた時点では7番人気に過ぎませんでした。
1番人気に支持されていたのは、特に競馬に詳しくない人でも知っている天才の異名を持つ武豊騎手が騎乗したダイタクバートラムでした。
ここでミラクルおじさんはヒシミラクルの単勝に約80万円ほどつぎ込み、16.1倍の配当を獲得したといわれています。
この配当だと約1200万円になりますので、宝塚記念へときれいにつながっていきます。
またこれ以外の説では、宝塚記念の前に行われたG1の日本ダービーと安田記念を連続的中させたという説もあります。
日本ダービーはネオユニヴァースが勝ってその配当が2.6倍でした。これに約50万円つぎ込んでいると約130万円になります。
その後の安田記念で約130万円をアグネスデジタルの単勝にすべてつぎ込み、見事に勝って約130万円を9.4倍で約1200万円にしたというのです。
競馬をやったことのある人なら、この2つのどちらも普通ではできないような偉業だとわかります。
他にもヒシミラクルが最初にG1勝利を決めた2002年の菊花賞の時点ですでに単勝馬券を当てていたという話や2014年のトーホウジャッカルが勝利した菊花賞を当てたなど、競馬ファンの間でさまざまな噂が飛び交っています。
あくまで都市伝説ですから真偽のほどは定かではありませんが、それぐらいミラクルおじさんは有名人なのだとこれらの噂からよくわかります。
ミラクルおじさんがいると考えられている根拠とは
ミラクルおじさんは本当にいるのかと疑いたくなる人も、もしかしたらいるかもしれません。あまりに都合よく事が運び過ぎているため、まったくの嘘なのではないかと思う人がいてもおかしくないです。
ミラクルおじさんがいると考えられている根拠は、ミラクルおじさんが約2億円の配当を手にしたとされている宝塚記念の前日オッズの動きです。JRAのG1は多額の馬券が売れますから、ちょっとぐらいのお金ではオッズにそこまで大きな影響は出ません。
ですがこの2003年の宝塚記念の前日オッズにおいて、ヒシミラクルの単勝オッズが急激に下がったのです。不特定多数のたくさんの人がたまたま同じタイミングでヒシミラクルの単勝を買ったというのは、さすがに考えにくいです。
つまり1人の人がヒシミラクルの単勝をたくさん買ったから前日オッズが急激に下がったと考えるほうが、むしろしっくりきます。
そもそもJRAの場外馬券場であるウインズ新橋でミラクルおじさんが馬券を買うのを見たという情報もありますし、これらの情報からミラクルおじさんはいるはずだと考えられているのです。
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結局ミラクルおじさんとは誰なのか
ここまで競馬ファンの間で語り草になっているミラクルおじさんの果たした偉業について紹介しましたが、そもそもミラクルおじさんとは誰なのかが気になるところです。
ですがミラクルおじさんがいったい誰なのかは、残念ながらわかっていません。
どこかの社長だという話もあれば、実は芸能人ではないかという話もあります。また平凡な普通のサラリーマンなのではないかともいわれています。
ミラクルおじさんは、それほど多くはない元手の資金を馬券の的中によって増やしているというところがポイントです。お金持ちの人が余ったお金で適当に馬券を買って的中させた、ということではありません。
元手の資金を馬券の的中によって増やすことを競馬用語でころがしというのですが、このころがしによって最終的に約2億円の配当を得たというまるで映画のようなサクセスストーリーが、競馬ファンの大きな共感を呼んだのです。
2020年になってもいまだに話題になるミラクルおじさん
ミラクルおじさんが話題になった2003年から数えてすでに17年ほど経っていますが、これほどの月日が経過しながらもいまだに競馬ファンの間でミラクルおじさんのことが話題になったりします。
たとえば単勝万馬券の超大穴馬が勝った時は「ミラクルおじさんなら的中させていたかも」などといわれたりします。
もうだいぶ前の話ですから新規の競馬ファンだとミラクルおじさんについて知らない人も多いですが、ミラクルおじさんのことは競馬ファンが語り継いでいます。
そのインパクトは絶大ですから、1度聞いたら忘れられないです。競馬は名馬が誕生すると語り継がれますが、ファンの間では名馬とともにミラクルおじさんも確実に伝説化しています。
ミラクルおじさんが一獲千金の夢を与えた
確実にいたとは言い切れない都市伝説のミラクルおじさんですが、とにかくミラクルおじさんが話題になったことで競馬ファンは一獲千金の夢を見ることができました。
たとえ元手少なくても的中させ続ければ約2億円に届くかもしれないということです。
それは口で言うほど容易ではありませんし、ほとんどの人ができないことです。
だからこそそれを成し遂げたと噂されるミラクルおじさんは、都市伝説として今も語り継がれています。